不注意で手持ちのラズパイを壊してしまい、代替品を買おうにも半導体不足でラズパイは在庫全滅状態…。
そこで中華LinuxボードのNano Pi Neo2を購入し、Armbianをインストールしたのでメモ。
Armbianって何?
ArmbianはARMが載ったシングルボードコンピュータ向けのLinuxで、Armbianという名前はラズパイ用LinuxのRaspbianをモジッてるんだろう。DebianやUbuntuと同じパッケージベースが使われているので、Raspbian同様aptでパッケージのインストールが簡単に出来る。

上記サイトに行くと、2種類のダウンロードリンクが表示される。それぞれの違いは、
- Bullseye → Debianパッケージベースを利用
- Jammy → Ubuntuパッケージベースを利用
自分は普段からUbuntuを使っているので、迷わずJammyの方をチョイスしダウンロード。
インストール
インストールはいたって簡単で、ダウンロードした.xzファイルをラズパイのイメージャーに読み込ませてSDカードに焼くだけ。

シリアルコンソールを繋いで起動
USBシリアル変換などをNano Pi Neo2のUART0に配線し、適当なターミナルソフトを115200bpsに設定してPCから接続しておく。

電源は上記写真の5Vのピンヘッダから給電しても良いのだが、結構な電流(ピークで1A以上)を引っ張るのでMicroUSBコネクタ経由でスマホの充電器か何かで給電するのが無難。
MicroSDカードを挿して電源を入れるとLinuxが起動しrootで自動ログインがされ、以下が要求される。
- rootパスワード設定
- シェルの選択
- 一般ユーザの設定
- ロケール設定
短すぎるパスワードを指定するとエラーとなり、不完全セットアップになってしまうので注意。
ディストリビューションを確認
起動後lsb_releaseでディストリビューションを確認すると、Ubuntu22.04LTSと表示される。
1 2 3 4 5 6 | # lsb_release -a No LSB modules are available. Distributor ID: Ubuntu Description: Ubuntu 22.04 LTS Release: 22.04 Codename: jammy |
armbian-configで各種設定を行う
Nano Pi Neo2にはオンボードの有線Ethernetが搭載されている。
sshログインによるヘッドレスト運用には、DHCPではダメじゃないけど固定IPアドレス化した方が便利。
コマンドラインから以下を実行するとメニューが立ち上がり、固定IPアドレスの他、各種設定が出来る。
sudo armbian-config |
ネットワークの設定
固定IPアドレスの設定は下記手順で簡単に出来た。
- トップメニューから”Network”を選択
- “Wired, Wireless, Bluetooth, Hotspot”メニューから”IP”を選択
- “IP address assistant”ダイアログでを選択
- “Static IP configuration”メニューでIPアドレスなど必要なネットワーク設定を行う
SPIやI2Cを使うための設定
デフォルトではSPIやI2Cは有効化されていないため、armbian-configで設定が必要。
- トップメニューから”System”を選択
- ”System settings”メニューから”Hardware”を選択
- “Toggle hardware configuration”メニューでi2c0とspi-spidevにチェックを入れる
I2Cはリブート後に即有効になるのだが、SPIに関しては追加設定が必要。/boot/armbianEnv.txtに以下の一行を追加する。
param_spidev_spi_bus=0 |
リブート後、I2CもSPIもデバイスとして見えるようになった。
1 2 | $ ls /dev/i2c* /dev/spi* /dev/i2c-0 /dev/spidev0.0 |
メーカー公式対応OS
Nano Pi Neo2はメーカー(FriendlyELEC)がFriendlyCore(Ubuntu Coreベース)とFriendlyWrt(Open Wrtベース)の2種類のLinuxディストリビューションをサポートしている。
FriendlyCoreはUbuntuCore相当のディストリビューションで、当ブログでも下記記事にてインストールを行っている。
Nano Pi Neo2用カーネルのメンテは止まってしまっているようで、FriendlyCore20.04はパッケージはUbuntu20.04相当と新し目なのにカーネルは4.x系が使われている。現実問題カーネルバージョンが問題になる事は少なそうだが、新しいカーネルが必要な場合はArmbianを選んだ方が良いかも。
まとめ
何はともあれ、買ったNano Pi neo2はラズパイの代わりに使えそうなので、よかったよかった。
Armbianの使い勝手はUbuntuそのものだし、独自の設定ツールarmbian-configでハードウエアの設定も簡単に出来る。加えてNano Pi Neo2は非常にコンパクトなので、ラズパイよりこっちの方が寧ろ良いかもしれない。
Armbianで少し残念なのはサーバの回線が細いようでパッケージの更新やインストールに時間が掛かること。ミラーサーバのリストっぽい物を見つけたものの、日本にミラーは無さそう。(本家のUbuntuみたく日本にミラーサーバが数カ所あるのとは対照的)
日本の誰かがボランティアに名乗り出てサーバを提供する必要があるんでしょうね。
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