MOSFETによる双方向レベルシフタをLTspiceでシミュレーションする

5V↔3.3Vの双方向レベルシフタが必要になり「MOSFET一本で出来なかったっけ?」と思い出しながら、LTspiceを使って回路の動作を確認した。備忘録的にメモを残しておく。

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MOSFET双方向レベルシフタの回路図

Nchの小信号用MOSFETを使った双方向レベルシフタは以下のようなシンプルな回路。

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シミュレーション実行

3.3Vパルス入力→5Vパルス出力

3.3V系の方にパルス電圧を印加する場合。

sim1

パルス電圧とゲート-ソース間電圧、MOSFETのOn/Offは以下のような関係になる。

3.3Vパルスゲート-ソース間電圧MOSFETのOn/Off状態
High0VOff
Low3.3VOn

動作としては以下のような感じ。

  • 3.3VパルスがLowの時: MOSFETがOnするので、IO2とIO1が直結されて結果的にIO2もLowになる
  • 3.3VパルスがHighの時: MOSFETがOffなので、IO2はプルアップされた電位5Vになる

シミュレーションを実行して確認。

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5Vパルス入力→3.3Vパルス出力

5V系の方にパルス電圧を印加する場合。

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この場合も、IO1とIO2のシミュレーション結果は上と同じグラフになる。

sim1

しかし、ゲート-ソース間電位がパルスに接続されていた上記パターンとは異なり、今回はドレイン電位が変わるためMOSFETのOn/Offに伴う現象がパッとは思いつかない…

この時何が起こっているかを明らかにするため、信号の立ち下がりを拡大したグラフを観察してみる。

sim1

IO2が5Vから立ち下がる時にMOSFETで起こる現象は以下の通り。

(Vf: ボディダイオードの順方向電圧、Vgs: ゲートしきい電圧)

IO2の電位MOSFETのOn/Off状態ソース→ドレイン電流IO1の電位
3.3V-Vf以上Off流れない3.3V
3.3V-Vgs以上、3.3V-Vf未満Offボディダイオード電流IO2の電位+Vf
3.3V-Vgs未満Onオン電流Io2の電位

まとめ

MOSFET一本でレベルシフタが動作する原理を確認した。ゲート-ソース間に信号源が繋がる場合はともかく、逆の場合が謎だったのでシミュレーションで現象を確認出来てスッキリした。

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