市販DCDCコンバータ基板で3直列リチウムイオン組電池を充電する

ここのところ中古のリチウムイオン電池を使った組電池の自作に挑戦しており、直近では18650リチウムイオン3直列の組電池を自作した。

作ったリチウムイオン組電池はとりあえず実験的に安定化電源で充電していたが、毎回安定化電源を出してきて充電するのも面倒。組電池を普段使いするためには専用の充電器があった方が便利だ。

というわけで、充電器として市販のDCDCコンバータ基板を使えないかと考え試した結果、リチウムイオン組電池を問題なく充電出来たので記事にまとめる。

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リチウムイオン電池の充電条件

度々当ブログでも話題にしているが、リチウムイオン電池を安全に充電するための目安は「充電最大電流は1C相当迄。充電最大電圧は1セルあたり4.2V」という条件。これは要するに、以下のような制御が出来れば良いという事だ。

  • 充電初期は定電流充電(電流の上限は1C)
  • 充電後期は定電圧充電(電圧の上限は1セルあたり4.2V)

当ブログでもマイコン制御のリチウムイオン単セル用充電器を作ったり、安定化電源を使ってリチウムイオン3直列組電池の充電を行ってきた。

リチウムイオン組電池の充電に使う市販DCDCコンバータ基板

充電器として使うのはAliExpressで見つけた定電流機能付きDCDCコンバータ基板。とても安価で100円ちょっとで売られている。

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この基板にはLM2596という降圧コンバータICが載っており、ボードへの入力電圧は最大35V・出力電流は3A迄取れる。

電源入力と充電出力の端子接続に注意!

このモジュールのマイナス側の基板パターンを調べると入力側と出力側で繋がって見えるし、マルチメータで調べても抵抗がほぼ0Ωなのでモジュールの外側でGND共通にして使いたくなってしまうが、それはNG。繋がって見える基板パターンだが、実は迷路のようになっている所(下写真の赤枠で囲んだ所)が出力電流測定用のシャント抵抗の役割を果たしており、外側でGND共通にしてしまうと電流検出が出来なくなって定電流動作ががうまく行かなくなってしまう。

写真

実際自分もモジュールの外側でGND共通にして使ってしまい、出力電流の調節がうまく出来ず困っていたところ、下記記事を見つけて理由が分かった次第。基板パターンに作られたシャント抵抗は「トレース抵抗」と言うらしい。

LM2596 Constant Current Constant Voltage Adjustable Buck Module
In this article, we will study about the LM2596 Buck Converter which is a constant current constant voltage adjustable buck module.

DCDCコンバータの調整

このモジュールには調整用の半固定抵抗が3つ付いており、下の写真の左から順に「出力電圧制限」「充電OK LED点灯調整」「出力電流制限」をそれぞれ調整出来る。まずは左右2つの半固定抵抗の調節を行う(真ん中の「充電OK」LED点灯調整は後で詳しく触れる)。

まずは安定化電源から電源を取ることにし、DCDCコンバータへの入力電圧は15Vとした。

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上限電圧の調整

DCDCコンバータの出力端子にマルチメータの電圧計を接続し、左側の「出力電圧制限」の半固定抵抗で上限電圧の調整をする。電池の劣化を抑えるため1本あたり4.2Vフルフル満充電せずに少し控え目の4.1Vとし、3本直列なので4.1V×3=12.3Vで充電電圧の制限をかけることにした。

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電流制限の調整

次に定電流充電の電流値を調整する。マルチメータを10A電流測定モードにしてDCDCコンバータ出力に接続させてショート状態にさせ、右側の「出力電流制限」の半固定抵抗を回して少し控えめの700mAへと調整した。

写真

DCDCコンバータで3直列リチウムイオン電池を充電

調節したDCDCコンバータに3直列のリチウムイオン組電池を接続して充電を行う。いつも通り自作電流ロガーで測定を行った。

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下のグラフが充電曲線。開始早々20分位で電流が700mAを切りはじめ、途中でDCDCコンバータの「出力電流制限」半固定抵抗を少し調整してしまったためグラフの波形が少し歪んでいる。

また、約80分経過した辺りから電流が落ちはじめており、DCDCコンバータの出力電圧をマルチメータで測定したところ設定とズレていた(約12.1V)ため、90分付近で「出力電圧制限」半固定抵抗で12.3Vに再調整を行っている。ただ、この調整のせいで終止電圧もズレてしまい、約180分経過で充電を中止する頃にはDCDCコンバータの出力は約12.4V付近まで上昇してしまった。

graph

細かい誤差はあるものの、安定化電源を使って充電を行った前回記事の結果とも遜色無く、このDCDCコンバータ基板でもリチウムイオン組電池の充電は問題なく出来そうだ。

充電状態に応じて基板のLEDが点灯

DCDCコンバータ基板には3種類のLEDが付いていて、どのLEDが点灯しているかによって充電状態を知ることが出来る。

  • 定電流充電中。CC/CV(赤)とCH(青)が点灯。
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  • 定電圧充電中。CH(青)のみ点灯。
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  • OK点灯。が、充電は止まらず定電圧充電が継続している。
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「充電OK」LED点灯電圧の調整

定電流充電が終わって定電圧充電に移行した状態で3つの半固定抵抗の真ん中を回すと「充電OK」LEDが点灯するポイントを調整出来る。下の写真は真ん中の半固定抵抗を調節して、CH(青)とOK(赤)が同時点灯するポイントにした瞬間をとらえた物。

写真

この基板は「OK」LEDの点灯用に専用の参照電圧を持っている感じではなく、左側の半固定抵抗で上限電圧を変えてしまうと一緒に点灯ポイントも動いてしまう。そのうえ、半固定抵抗にドライバの先を当てただけでノイズが原因?でLEDの点灯状態が変わってしまい安定性もイマイチだ。当初はこの「OK」LED用信号を使って充電電流を強制遮断出来るかもと期待したが、ちょっと使えないかな。

19VのACアダプタからDCDCコンバータに給電してみる

定電流出力と定電圧出力は入力電圧に依存することなく安定しており、充電中に安定化電源の電圧つまみを回してもDCDCコンバータの充電出力が影響することは無かった。(「OK」LEDの調整があまり安定しないのと対照的)

そこで(スマホの充電で組電池を放電させた後)、安定化電源の代わりに古いノートPC用の19VのACアダプタをDCDCコンバータの入力電源に使って充電してみたところ、設定した電流値で問題なく動作してくれた。

写真

各セルの電圧差について

充電完了後、少し時間を置いてからマルチメータで各セルの電圧を測定。前回記事で強制セルバランスを行ったのが未だ効いていて、電圧は綺麗に揃っていた。

電池A電池B電池C
充電後4.03V4.03V4.03V

まとめ

市販の定電流機能付き降圧型DCDCコンバータを調整し、3直列のリチウムイオン組電池の充電器として使ってみたところ、結果は良好だった。

DCDCコンバータへ供給する電源としては安定化電源は勿論、手元にあった古いノートPC用だった19V 2AのACアダプタが使えた。以前の記事で制作した自転車発電(約14.5V)の出力でも問題無さそうなので、人力発電による充電も出来そう。

但しDCDCコンバータに付いている満充電を知らせるLEDは、点灯ポイントを調整してもノイズで動いてしまったり安定性はイマイチ。LED信号を使って満充電になったら充電を切る、みたいな制御は無理そうだ。

今回使ったDCDCコンバータ基板は非常に安価(約100円)だし、個々の組電池に基板を1個ずつ専用に割り当てて、劣化や容量などそれぞれの電池の状態に応じた充電条件に調整して使っても良いだろう。リチウムイオン電池再利用の強い味方になるかもしれない。

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