LTspiceで外部SPICEモデル(.subcktライブラリ)を使う方法

LTspiceの標準コンポーネントに含まれない部品はネット等にある外部SPICEモデルが利用出来る。LTSpiceのライブラリには大きく分けてコンポーネント定義のディレクティブが.modelの物と.subcktの物の2種類がある。.modelはディスクリート部品の定義に使われ、それ以外の物はSPICE等価回路で.subckt(=サブサーキット)により定義される。

以下、.subcktのライブラリにシンボルを関連付けてLTspiceに取り込む方法をまとめる。

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ライブラリの所在

そこそこメジャーな部品であれば、LT Wikiサイトのディレクトリhttp://ltwiki.org/files/LTspiceIV/lib/sub/を探すとライブラリが見つかる場合も多い。ライブラリそのものはテキストファイルで、ファイル拡張子は.libだったり.subだったりまちまちだが、中身に.subcktの記述があれば問題無く使える。

例えば、CMOSアナログスイッチ4066はhttp://ltwiki.org/files/LTspiceIV/lib/sub/SwitchAna.Libの中にサブサーキット名”CD4066″として定義されている。以下の例では、このSwitchAna.Libをダウンロードして利用する。

ライブラリの読み込み

ライブラリは回路図中に.libディレクティブを配置すると参照出来るようになる。コントロールパネルの”Sym. & Lib. Search Paths”タブにライブラリのサーチパス設定しておくと絶対パスではなくファイル名だけで読み込み出来るようになる。

SwitchAna.Libを参照した場合は、SwitchAna.Libをパスの通ったディレクトリに置いたうえで、.libディレクティブを以下のように記述する。

.lib SwitchAna.lib

シンボルの自動生成

サブサーキットを回路図に配置するためには、.subcktに対応するシンボル定義(.asyファイル)が必要だ。LT Wikiで公開されているライブラリの中にはhttp://ltwiki.org/files/LTspiceIV/lib/sym/にシンボルが定義が置かれている場合もあるが、無い場合は自動生成するのが手っ取り早い。前節の手順で回路図に.libディレクティブを配置した後、.libディレクティブのテキストを右クリックすると、以下のようなダイアログが表示される。

このダイアログでOpenボタンを押すとライブラリのソースを表示出来る。このソースから使いたいサブサーキット(CD4066)の.subckt記述を探す。

ソース中.subckt記述のある行で右クリックするとメニューが表示されるので”Create Symbol”を選択すると、以下のようなサブサーキット名とピン番号が書かれただけのシンボルが自動生成される。

このままでは回路図に配置した時に何の端子か分かりづらいので信号名を記入する。初期状態では幅が狭くて文字がはみ出るので、メニューで”Edit” -> “Drag”を選択してドラッグモードにした後、ICの四角枠の左右どちらか半分を選択して横方向に伸ばすと、枠の幅を広げることが出来る。

ピンやラベルもドラッグモードで好きな位置に移動出来る。コンポーネントのソースで確認しながら信号名を書き込みつつ、配線しやすいようにピンやラベルの位置を変更したシンボルは以下。これを回路図に配置して使うことが出来るようになる。

まとめ

今回はLTspiceに外部SPICEモデルをコンポーネントとして追加する方法を紹介した。この方法を使えば、ネットに公開されているSPICEモデルをLTspiceで活用する出来るようになる。LTspiceは実物の回路を組まずにシミュレーションで回路の動作確認が出来る非常に強力なツール。ネット上の資産も活用しつつ、便利に使っていきたいものだ。

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