ICなど機能モジュールのSPICEモデルに新規シンボルを割り当てて利用する方法は別の記事にまとめたが、MOSFETなどのディスクリート部品は既存シンボルにSPICEモデルを適用させた方が回路図が見やすい。今回はMOSFETのSPICEモデルをネットからダウンロードして利用する方法をまとめた。
MOSFETのSPICEモデルをダウンロード
MOSFETのSPICEモデルはメーカーサイトに置かれている場合がある。
今回は例としてPチャネルMOSFETのAO3401のSPICEモデルをダウンロードする。
Alpha & Omega Semiconductor
ダウンロードしたSPICEモデルはao3401.spice.txtというファイル名で保存した。このファイルの中を覗いてみると、以下のように.subcktによるサブサーキットの定義が書かれている。
.SUBCKT AO3401 4 1 2
M1 3 5 8 8 PMOS W=998956u L=1u
:
(以下略)
.includeディレクティブの記述
SPICEモデルをLTspiceに読み込ませるため、LTspiceの回路図上に.includeディレクティブを記述する。
.include ../../dataSheet/MOSFET/ao3401.spice.txt
“../../dataSheet/MOSFET/ao3401.spice.txt”が上記でダウンロードしたSPICEモデルのファイルパスだ。
MOSFETにSPICEモデルを適用する
以下の手順を実行する。
- PチャネルMOSFETのシンボルをCtrlキーを押しながら右クリックして”Component Attribute Editor”ダイアログを開く
- Prefixに”X”を入力
- ValueにMOSFETのサブサーキット名(SPICEモデルファイルの.subckt直後にある文字列)を入力
ダイアログのOKボタンを押すと、MOSFET横の文字列がPMOSからAO3401に変わって、SPICEモデルの適用が完了する。
まとめ
MOSFETはモノによってゲート容量やオン抵抗などがけっこう違うため、いい加減に選ぶと正しく動かない回路になってしまう。ネット上にあるSPICEモデルを活用することにより、MOSFETの回路をLTspice上で正確にシミュレーション出来るようになる。
コメント
初めまして。こちらを参考にして何とか”AO3401A”でシュミレーションできるようになりました。
ありがとうございました。
今後の情報を楽しみにしています。
とぅーしゃんさん、コメント有難うございました。お役に立てたようで嬉しいです!