リチウムイオン電池を使う時は保護回路が必須。セルの直列数や電流容量に応じて色々な物がAliExpressに売られており買って使うのが手っとり早いのだが、諸事情により自作することに。せっかくなので、記録がわりに記事に残しておく。
保護回路の回路図
作りたいのはリチウムイオン電池3直列用の保護回路。
手持ちのリチウムイオン電池保護ICは単セル用のDW01という物で、これに回路遮断用MOSFET FS8205を組合せて下の回路図のような回路を組んだ。要するにセル1個ずつに保護回路を付けたうえで3直列にするという芸の無い回路で、マルチセル用の保護ICを使えばMOSFETのスイッチが1つで済むところ3つも回路に挟まってしまう所がイマイチ。
が、まぁFS8205のオン抵抗は30mΩ前後だし、とりあえずの実験用と割り切ってこの回路構成で行くことにする。
出来た保護回路基板
いつも通りクエン酸エッチングで基板を作った。たまたま在庫していた2.5cm角カット済みの生基板に合わせ無理矢理回路を詰め込んだせいで過密な銅箔パターンに。このため手ハンダではブリッジしてしまい制作には無駄に難儀してしまったw
保護回路基板のテスト
保護回路をテストするため、バッテリー端子(Bn+,Bn-端子)にリチウムイオン電池に見立てた電圧源として安定化電源を接続して2V〜5V程度の間で電圧を変化させ、2.5V〜4.3Vの範囲から外れた時に出力が遮断されるかどうかを調べた。基本的に単セル用の保護回路を3回路直列にしただけなので、1回路ずつ独立に調べればOK。実際このチェックではんだのブリッジを数カ所見つけて、修正をした。
但しこのやり方では、電圧源の電圧がいくら上昇しても出力が完全には遮断されない。理由は、下の図のように過充電遮断用のMOSFETがオフしてもボディダイオード経由で電流が流れてしまうためだ。(ただリチウムイオン電池が勝手に高電圧になる状況は普通は無く、外部からの充電電流が遮断出来れば過充電保護出来るため、これでも保護回路の動作としては問題は無い)
というわけで、過充電保護電圧の確認は出力電圧を徐々に上げて行き、保護回路出力がボディダイオードの両端電圧0.3〜0.4V程度だけ下がって出てくる電圧ポイントが概ね4.3V付近に存在するかどうか調べるようにした。
リチウムイオン電池に配線
3直列にしたリチウムイオン電池に自作保護基板を配線し組電池を構成。
この組電池を実際に充放電させた時の実験の顛末は別記事にまとめてある。
まとめ
リチウムイオン電池3直列用の保護回路基板を自作した。自作基板を小さく作りすぎたため手ハンダには辛いものがあったが、電圧を可変出来る電圧源を使った動作チェックでハンダ付けを修正しながら作った。
無理矢理単セル用の保護ICを使って回路を組んだため、直列接続用の保護ICを使えばMOSFETが一つで済むところ3つも直列に入ってしまう点がイマイチだが、リチウムイオン電池を裸で使うのも怖いし、実験用に最低限の保護が出来れば良いと割り切って使おうと思っている。
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