TP4056リチウムイオン電池充電基板の充電電流を調節する

TP4056というリチウムイオン電池の充電コントローラICが搭載された基板が安価に売られている。この基板は1Aで定電流充電する仕様となっているが、抵抗を一本取り替えることで充電電流を変更出来る。今回は、基板の抵抗を変更して充電電流を下げ、容量の小さいリチウムイオン電池の充電に対応させる改造について記事にまとめる。

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充電コントローラIC TP4056

TP4056のデータシートは下記リンクにある。

https://static.chipdip.ru/lib/977/DOC002977110.pdf

データシートに記載された応用回路図を転載。

図

このICはリチウムイオン電池の充電に必要な以下3要件を備えている

  1. 電池電圧が3V〜4.2Vの間は1Aの定電流充電
  2. 電池電圧が4.2Vに到達したら定電圧充電
  3. 電池電圧が3V未満の時は130mAのトリクル充電

3.のトリクル充電は安全対策のための機能。以前の記事でまとめた通りリチウムイオン電池を過放電させると内部ショートを起こす可能性があり、過放電が疑われる場合はいきなり大電流で充電せずに小電流で様子見しながら充電する。この他にも、ICにはバッテリーパック内臓のサーミスタを接続する端子(TEMP)があって高温を検出して充電をストップする機能もある。

充電電流の変更方法

TP4056は上記回路図に記載されたRprog(PROG端子とGNDの間の抵抗)を変更することで、定電流充電の電流を130mA〜1Aの間で自由に設定することが出来る。以下、データシートに記載された表から転載。

Rprog出力電流
10kΩ130mA
5kΩ250mA
4kΩ300mA
3kΩ400mA
2kΩ580mA
1.66kΩ690mA
1.5kΩ780mA
1.33kΩ900mA
1.2kΩ1000mA

市販されているTP4056搭載の充電基板

AliExpressで売られている充電基板は10個で送料込み400円程度と格安。以前の記事で取り上げた「中華製充電基板」と同じ物でMicroUSB端子が基板に直付されており、USBケーブルを挿せば電源供給出来るので使い勝手は良い。

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Amazonでも割と安価なので急ぐ場合は良いかも。

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AliExpressで10個セットを買ったら全部繋がった基板の状態で届いた。Vカットに沿って1つずつ切り離して使う。

図

基板には電池の過放電と過充電の保護回路も付いているため、裸のリチウムイオン電池を接続すれば保護回路と充電回路を両方備えたバッテリ電源として即利用可能だ。

TP4056充電基板の改造

チップ抵抗の交換

上記回路図のRprogに相当する抵抗は、写真で赤丸を付けたR3。元々1.2kΩのところ、3kΩに変更することで充電電流を400mAに変更する。

図

改造基板の充電電流を確認

R3を取り替えた基板を使って18650をテスト充電。きっかり400mAで充電されるようになった。

図

まとめ

TP4056搭載の充電基板は、中華系ショップでは単セルリチウムイオン電池充電基板の決定版のような存在で、安価に大量に出回っている。しかし、充電電流が1Aに固定されているため容量が小さい電池などでは充電電流が大き過ぎて使えない。

リチウムイオン電池は電池の容量に見合わない大電流で充電すると、過熱して危険なだけでなく電池の劣化を早めてしまう。本記事の方法で充電電流を少し落としてあげれば、容量の小さな電池でも充電基板を安心して使えるようになる。

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