格安スポット溶接機キットを試す

バッテリー式のスポット溶接機が市販されている。溶接の仕組みは、バッテリーから短時間のパルス電流をニッケルタブに直接流して加熱させ溶着するというもの。試しにバッテリー外付けタイプの格安キットをAliExpressで購入し、本当に溶接できるものか試してみた。

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購入した格安スポット溶接機キット

AliExpressで購入した格安スポット溶接機はこれ。送料込み約1500円で買える。

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溶接電極や電解コンデンサなどの部品が入った袋と基板とケースが入った袋2つに分けられ、それらがAliExpressおなじみのクッション袋1つに収められた非常に簡素な梱包で届いた。

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制御基板を観察

袋から取り出した基板を観察してみる。表面には”4N04R8″と刻印された部品がズラリ5個並んでいる。調べると、なんとドレイン電流を300Aも流せるNch MOSFETらしい(データシート)。MOSFETの下真ん中あたりにある8本足には”STC 15W204S”との刻印が見え、こちらも調べてみると8051系の8ビットマイコンのようだ(メーカーWeb)。マイコンで作ったパルスでMOSFETのゲートを駆動し大電流パルスを発生させる仕組みと推測出来る。

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ひっくり返してウラ面を見ると…あらら輸送中にビスが当たったせい?キズだらけ(ノД`)

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完成したスポット溶接機

電解コンデンサ、プッシュスイッチなどは自分ではんだ付けが必要。また、バッテリーケーブルは付属していなかったので、手元にあったワニ口付きのケーブルを装着させた。

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基板をケースに収めて12Vバッテリーに接続し、念の為電流計を挟んで通電させてみたところ。待機状態では10mA程度しか電流は流れない。

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溶接機として使ってみる

溶接機として使うには、プッシュスイッチで溶接の強さを5段階で設定し、溶接したい場所に電極を強く押し当てればOK(電流計があると大電流が流せないので外しておく)。とりあえずオマケで付いてきた薄いニッケルタブは18650電池に溶接が出来た。

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18650電池から溶接したニッケルタブを無理矢理引っぱって剥がすと、溶接部分は電池にくっついたまま千切れたのでガッチリと溶接出来てそう。ただ、このニッケルタブだと薄すぎて大電流を流すと熱を持ちそうな点が少々気になる…。

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そこで、少し分厚いニッケルタブの切れ端(バッテリーパックを解体した時に取り出した物)を溶接してみたが溶接の強さMaxに設定しても歯が立たなかった(写真は撮り忘れ)。手持ちの12Vバッテリーが3年物でヘタっているせいかもしれないが。

まとめ

AliExpressにて約1500円で購入した格安スポット溶接機を試してみた。たまたま12Vバッテリーを持っていたためバッテリー外付けタイプをチョイスし、オマケで付いてきたニッケルタブを溶接してみたところ一応使えそうな感触。ただ、バッテリーがヘタっていたせいかパワーはイマイチで、少し分厚いニッケルタブはうまく溶接出来なかった。

3〜4千円出せばリチウムイオン電池内蔵タイプの物も出回っているようなので、ひょっとしたらそっちの方が良かったのかも。まぁ、今回の買った物もリチウムイオン電池3〜4本直列で給電すれば多分同じのような気もするので、機会があったら試してみようと思う。

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