ADALM2000はアナログデバイセズ社が学生の学習やホビー用途向けに開発したUSB接続の測定器。今回は専用ソフトScopyを使って簡単な測定をやってみた。
Scopyを起動し接続
起動直後の画面。画面上方のM2Kアイコンをクリックすると、USB接続されたADALM2000の情報が表示され、その上にいくつかボタンが現れる。Connectボタンをクリックすると、ADALM2000に接続される。
この状態でIdentifyボタンを押すと本体のLEDが速く点滅する。
内蔵電源を設定する
ADALM2000は±5Vの電源を持っている。左側のメニューからPower Supplyを選択し、V+を+3.3V、V-を-3.3Vに設定し、Enableボタンを押す。
端子の電圧をテスターで測定してみたところ、実際にGNDとV+の間がが+3.3V・GNDとV-の間が-3.3Vになっていることが確認出来た。
電圧生成に若干の誤差があるようで、出力が丁度3.3Vになるように、+側は0.001V、-側は0.013Vの補正をした。
電圧計で内蔵電源の電圧を測る
内蔵電源の端子V+とV-を下の表のように接続する。付属のピンヘッダは使用せずに、ジャンパワイヤを本体に直接挿して配線した。
入力端子 | 接続先 |
---|---|
1+ | V+ |
1- | GND |
2+ | GND |
2- | V- |
この状態で左側メニューからVoltmeterを選択すると、内蔵電源の電圧が表示される。ジャンパワイヤにノイズが乗るためか、Power Supplyの電圧表示よりも不安定。
この画面にはdata loggingのon/offスイッチがあってログが取れそうな感じなのだが、何故かうまく出来なかった(バグ?)。
オシロスコープで電圧を表示してみる
回路の接続はそのままでScopyの左メニューでVoltmeterからOsclloscopeに切り替える。Startボタンを押すと測定が始まり、少しノイズの乗った3.3Vの波形が表示される。トリガをかけたり、縦軸の表示位置にオフセット付けたりと一般的な機能は揃っている。
この他にも、波形表示と同時にFFTによるスペアナ表示やX-Y表示が出来るなど、かなり高機能だ。
ソフトは未だ発展途上
Scopyの現時点での最新版は1.1.1だが上記の簡単なテストで、
- Voltmeterのログ機能が何故か使えない
- 本体との接続が勝手に外れる
の問題が見つかった。ソフトの安定性や完成度はまだまだという感じ。
とは言ってもハードの価格は1万円ちょっとと手頃だし、ソフトもシンプルなUIで使い勝手は悪くない。オープンソースで現在も開発が進められているようなので、今後の改良に期待だ。
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